鹿児島県内7市町の給食センターや一部の学校が、4月から給食費を値上げしたことが27日、南日本新聞の調べで分かった。原油高や円安に伴う物価上昇が要因とみられる。工夫を凝らし値段を据え置く自治体もあるが、仕入れる食材の多くが高騰。ロシアのウクライナ侵攻も拍車をかけており、先行きは見通せない状況だ。
値上げしたと回答したのは鹿児島、霧島、姶良、出水、指宿、曽於の6市と瀬戸内町。うち鹿児島市は、6カ所ある給食センターの1食あたり平均で、昨年度と比べ小学校が約6円、中学校は約11円上がった。市中央給食センターの浜田有希所長は「関係機関と話し合い値上げを決めた。子どもの健全な発達のため、設定価格の範囲内で栄養価を踏まえた献立を考えたい」と話した。
霧島市は、給食センター1カ所と校内で給食をつくる「自校方式」3校が値上げ。姶良市は給食センター1カ所で小学校分のみ、出水市は自校方式1校が値上げした。指宿市は月100円、曽於市は月200円を一律で値上げしたが、市の補助を上乗せ。保護者負担は実質的に増えていない。
自治体に食材を提供している県学校給食会によると、物価上昇に伴い2022年度取り扱う全731品目のうち690品目で値段が高騰。21年度と比べ大豆油は約60%、輸入牛肉が約25%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻も影響している、と分析する。
値段を据え置いた市町村でも費用を抑えるため工夫を凝らす。鹿屋市は昨年5月に3回だったデザートを今年5月は2回に変更。いちき串木野市は牛肉を豚肉に、鶏モモ肉をムネ肉に代替した。国の地方創生臨時交付金活用を検討している自治体も複数あった。