参院選・鹿児島選挙区 女性票巡り攻防激化 2新人「ジェンダー平等」「ママ目線」訴え 共感求め支持拡大図る 現職は票離れ警戒、集会増やし引き締め

2022/07/03 13:29
集会で気勢を上げる女性支持者ら=6月25日、鹿児島市
集会で気勢を上げる女性支持者ら=6月25日、鹿児島市
 7月10日投開票の参院選鹿児島選挙区(改選数1)で、女性票を巡る攻防が熱を帯びている。「鹿児島から初の女性国会議員を」との訴えで女性の共感を得て、支持拡大を狙う2人の新人女性。現職は「票の目減りを抑えねば」と引き締めを強化している。

 「柳さんは県議を15年経験し政治力がある。その情熱と実行力を生かさないと本当にもったいない」。6月28日、霧島市と姶良市であった立憲民主党新人の柳誠子氏(61)の集会。党本部から駆け付けた西村智奈美幹事長は語気を強めた。

 「ジェンダー平等」を掲げる立民は参院選に候補者の過半数となる26人を擁立。子育て支援の拡充を訴える柳氏はその1人だ。各地の街宣や演説会では、女性の地方議員仲間が党派を超えて応援弁士を務めたり、街頭に立ったりしている。「女性の国会議員は議員立法にも力を入れているが、参院で女性は2割。1割増えるとだいぶ変わるはずだ」(西村氏)との思いを県内の女性有権者にぶつけている。

 一方、2人の子どもを育てる立場から「ママ目線の政策を」と女性票の獲得を目指すのは無所属新人の西郷歩美氏(37)。保守系の政党に所属した都議時代、女性議員の働き方改革や子育て支援施策など、女性活躍の推進に取り組んだ実績をアピールする。

 ポスターでは柳氏と同様に鹿児島初の女性国会議員誕生をキーワードに掲げ、子育て・教育関連の公約を前面に出す。街宣や街頭演説で「女性が輝けば誰もが輝く社会が実現できる」と訴えて浸透を急ぐ。

 こうした動きに、自民党現職の野村哲郎氏(78)の陣営からは女性同士の票の奪い合いを期待する声と、都市部での女性票離れを懸念する声が交錯する。「必ずしも自民に票を投じないのが自民支持者の特徴」(陣営)との心配もあり、得意の農政問題を食の安心安全や学校給食に結びつけて語る機会を増やしている。

 6月25日は推薦団体・企業の女性に参加してもらう「女性の集い」を同市で開催した。同僚の小渕優子衆院議員が応援に入り、「野村さんは働く女性や子育てを熱心に支援してくれる」と称賛。夫が鹿児島出身と紹介して「第二の古里」と親近感を演出した。今月1日には県連女性局の7人が街宣カーに乗り込み、市内でのてこ入れに加勢した。

 鹿児島選挙区では3氏のほか、政治団体「参政党」新人の昇拓真氏(32)、NHK党新人の草尾敦氏(53)も支持を訴えている。

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