「殺し屋参上」…昭和世代には懐かしい「永田シロアリ」ビル 再開発で姿消したけど、センテラス天文館の銘板に今も

2022/07/12 11:38
文化通りの入口に面していた永田シロアリビル(永田公宏さん提供)
文化通りの入口に面していた永田シロアリビル(永田公宏さん提供)
 鹿児島市千日町のセンテラス天文館がオープンして3カ月が過ぎた。この間、「ビル内に懐かしい看板がある」との情報が南日本新聞の「こちら373」に複数寄せられている。訪問して確認すると、かつて多くの人が目にしたシロアリのマークと、「殺し屋参上」の鮮烈なフレーズが目に飛び込んできた。

 千日町1.4番街区市街地再開発組合によると、「地権者銘板」と呼ばれる30センチ角の金属板。再開発区域一帯の18地権者の店舗・個人・会社名などを刻んだ計20枚がビル6階の壁に張り付けられていた。牧野田栄一理事長(67)は「未来の天文館をつくるため再開発に合意した我々の『生きた証』」と力を込める。

 ひときわ目を引くのはシロアリのマークと、「殺し屋参上」のキャッチコピー。文化通りの入り口横に構えた「永田シロアリ」ビルの壁と、シャッターを飾っていた。センテラス建設に伴い、ビルは2019年2月に解体され、同社は照国町に移転した。

 社長の永田公宏さん(52)は「いずれも画家を志していた父がデザインしたもの。鹿児島の中心街で商いをしていたことを、記録として銘板に残したかった」と思いを語った。

 永田さんは小学生時代の放課後に両親が働くビルに立ち寄り、上竜尾町の家に帰宅していた。「午後6時を過ぎると文化通りに人があふれかえっていたのを鮮明に覚えている」と、懐かしがる。

 JR鹿児島中央駅周辺の再開発や大型店の郊外出店に加え、新型コロナウイルス禍もあり、天文館はかつての存在感が薄れつつある。永田さんは「千日町一帯は様変わりしたが、センテラスが、かつてのにぎわいを取り戻すきっかけになることを願っている」と話した。

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