慰霊碑に花を手向け、黙とうする小中学生ら=20日、宇検村宇検
太平洋戦争中、沖縄の学童疎開船「対馬丸」が鹿児島県十島村悪石島沖で米潜水艦に撃沈された悲劇を学ぶ平和交流事業が20日、宇検村であった。奄美大島と沖縄の小中学生ら計約40人は、多くの遺体が漂着した同村宇検の船越(ふのし)海岸や慰霊碑に足を運び、平和の尊さをかみしめた。
参加者は悪石島の方角に向かって立つ慰霊碑に献花し、祈りをささげた。その後凄惨(せいさん)な沖縄戦を学び、平和な世界にするため一人一人がどう行動すればいいのか考えた。
宇検村久志中学校3年植田心大さんは「戦争は怖いと改めて実感した。ロシアのウクライナ侵攻は人ごとではない」。那覇市松城中2年森田弓結さんは「今まで怖くて戦争と向き合わず逃げていた。今後はきちんと歴史に学びたい」と話した。
対馬丸は1944年8月22日、沖縄から長崎へ向かう途中に魚雷攻撃を受けて沈没した。対馬丸記念館(那覇市)によると、乗船者1788人のうち、判明している犠牲者は1484人(2020年9月現在)。奄美大島に漂着し救助されたのは21人だった。
平和交流事業は沖縄県主催で3回目。新型コロナウイルス下、3年ぶりにあった。