エスカレーター上りと下りでスピード違う? 中学生の疑問、調べたらいろいろ考えて設定していた

2022/08/22 11:07
エスカレーターの速度を改めて計測する男子中学生=7月20日、鹿児島市千日町のセンテラス天文館
エスカレーターの速度を改めて計測する男子中学生=7月20日、鹿児島市千日町のセンテラス天文館
 「エスカレーターの速度ってどうやって決めているの?」。鹿児島市の中学生から質問が寄せられた。取材を進めると、速さは施設によって異なり、利用者層や輸送効率、安全を考慮して設定していた。

 中学1年の男子生徒は6月中旬、同市のセンテラス天文館のエスカレーター上りが、4月のオープン時と比べ、速くなったように感じた。1~2階の移動にかかる時間をスマートフォンのタイマーで測ると、下りが6秒遅かった。

 建築基準法はエスカレーターの勾配によって速度を定めている。日本エレベーター協会によると、分速30メートルが主流。速度の切り替えができる機種とできないものがある。

 センテラス天文館オペレーションセンターによると、分速20メートルと分速30メートルに切り替えることができる。4月は幅広い年代層が多く訪れることを見込み、安全上の配慮から上下とも分速20メートルに設定した。

 利用者から「速めてほしい」と要望があったことや、事故もなかったことから、5月上旬に上りのみ分速30メートルに。7月上旬には下りも速めた。山本賢一センター長は「輸送効率だけでなく、安全面に配慮しなければならず、案配が難しい」と話す。

 同市のアミュプラザ鹿児島は、輸送効率を高めるため、上下とも分速30メートルに設定。イオンタウンは上りは全国一律分速30メートルだが、下りは20、30メートルで選択可能。姶良市のイオンタウン姶良は、つまずき事故を防ぐため、分速20メートルにしている。

 鹿児島市の山形屋は、2号館は上下とも分速30メートルだが、6階の催事会場など利用者が多い1号館の1~7階は上下とも分速25メートル。高齢者の利用が多く、手荷物も増えやすい地下1階の食品売り場は上下とも分速20メートルだ。

 利用者は、ながらスマホによる転倒やステップと側面の間に靴や衣類が挟まれないよう注意したい。センテラス天文館の山本オペレーションセンター長は「災害時は急停止することもある。よそ見をせず、手すりを持つなど安全な利用を心がけてほしい」と話した。

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