建設が進む庭園墓地と五輪塔=南さつま市加世田津貫
鹿児島県南さつま市加世田津貫の寶聖寺(ほうしょうじ)が、樹木葬の庭園墓地とそのシンボルの五輪塔を建立中だ。木々が茂る屋外に納骨棺(のうこつかん)を円形に並べ骨つぼを納める形。高齢過疎化が進む地域では墓参する人が減っており無縁化の恐れもある。観光客が訪れるような風光明媚(めいび)な墓地を造り供養したい考え。
浄土真宗大谷派の同寺は1949年、津貫地区の住民と、明治期に焼酎製造を始めた本坊家の菩提寺(ぼだいじ)として建立された。住職の下津浩一さん(59)と副住職の悦子さん(54)が過疎化を懸念し計画した。
設計は同市金峰在住の建築家今用雄二さん(57)が手がけた。骨つぼ6個が入る赤色の納骨棺を直径約8メートルの円形に48基並べ、高さ約14メートルの金色の五輪塔を建てる。将来的には納骨棺104基を追加する予定。
下津住職は「持続可能な弔いの形を模索した」と説明。近くに本坊酒造のウイスキー蒸留所があり国内外の観光客が訪れることから、「回遊してもらえるような形にし地域再生につなげたい」と語る。9月末に完成予定。永代供養堂も設ける。同寺=0993(55)2521。