男性の育児休業について話し合う学生たち=鹿児島市の鹿児島大学
「将来、父親になったら育児をするのは当たり前」-。男性も育児休業を取りやすくする新制度「産後パパ育休(男性版産休)」が10月から新設されたのを受け、鹿児島大学(鹿児島市)の学生が男性の育児参加や育児休業制度について議論した。「安心して職場復帰できる環境整備が重要」「育休を取得しても収入が変わらない保証を」などと、活発に意見を交わした。
鹿大の共通教育科目「身の周りの男女共同参画」の授業の一環。学生は教育や政治、災害対応などを男女共同参画の視点から考える。
17日は、法文学部の原田いづみ教授(ジェンダー法学)が、「男性の育児参加と育児休業制度」をテーマに講義。男性の育休取得率は上がっているものの実際は5日未満が大半であることや、育休ハラスメントに悩む男性社員がいることなどを紹介した。
約90人の学生はグループに分かれ、男性の育休を阻む壁について話し合った。「年配の上司層の意識を変える」「パパ友イベントを開いたり、公共施設の男子トイレにおむつ台を整備したりして、男性が育児に参加しやすい環境を作る」などの意見が出た。
法文学部1年の山下浩和さんは、「子育てに主体的にかかわりたい。男性が育休を取るのは当然という風潮が広がってほしい」と話した。