故郷への思いを語るウクライナの人たち(中央)=鹿児島市武岡1丁目の巴里市場
鹿児島県美術協会の有志約20人でつくる「ハートフルアートプロジェクト」は1日、鹿児島市の飲食店で、市内に避難してきたウクライナ人やその家族計12人を招き、交流会を開いた。参加した35人が芸術を通して親睦を深め、一日も早い平和を願った。
同団体は2006年から鹿児島盲学校でのワークショップなど障害者との交流を続けている。ウクライナからの避難者を支援しようと3月に市内でチャリティー展覧会を開き、売り上げの一部で初めて交流会を企画した。
南部ザポロジエから昨年11月に来た女性(51)は、故郷に残る両親がミサイル攻撃を受ける中で生活していると説明。「残っている人のことを思うととてもつらい。日本で安全に暮らせることに感謝」と話した。会員は「一日も早く平和を願っている」「今後も交流の継続を」などと声をかけた。
このほか、カザフスタン出身で南さつま市在住のバイオリニスト今用アシェルさん(42)が演奏を披露したり、会員や鹿児島女子高校の生徒が手がけた小物を贈ったりした。東部ドニプロから避難したルドルフ・ヴィクトリアさん(49)は、「温かい雰囲気で、ウクライナに戻ったようだった。これからも交流を続けたい」と笑顔を見せた。