公衆電話どこにある? 20年間で8割減、ボタンの押し方知らない児童も… 通信障害、災害に備え「普段から設置場所確認を」

2022/08/13 11:00
公衆電話
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 7月上旬のKDDI(au)の大規模な通信障害は、利用者のほか物流や気象データ配信などにも影響が広がった。南日本新聞の「こちら373」に「通信障害で公衆電話の存在を再認識した人が多かったのでは。災害時にも役立つと思うので、どんな基準で設置されているのか知りたい」との声が寄せられた。携帯電話が普及し減り続ける公衆電話は今-。

 公衆電話は法令で設置基準が定められた「第1種」と、利用が多く見込まれる場所に設置される「第2種」がある。1種は、生活上の安全や戸外での最低限の通信手段を確保するため、常時利用できる場所や立ち入りの容易な施設などに設けられる。1、2種の外見上の区別はない。

 NTT西日本鹿児島支店によると、鹿児島県内では2000年3月時点で計9766台あったが、22年3月には計2092台(1種1519台、2種573台)まで減少した。

 今年4月、1種の設置基準が「市街地でおおむね500メートル四方に1台」(市街地以外は1キロ四方)から「市街地でおおむね1キロ四方に1台」(同2キロ四方)に変わり、県内では今後10年でさらに約900台減るという。2種も利用状況を見ながら削減する。

 このほか、災害時に避難所などで運用される通話無料の「特設公衆電話」がある。県内では1963台分の回線が確保され(22年3月)、自治体などが電話機を設置後、利用できる。

 NTTは一般の公衆電話の設置場所をホームページに掲載。住所から検索すると地図上に表示される。だが、通信障害時には端末では調べられない。

 防災マップに掲載している自治体もあるが、同支店は「通学、通勤路のどこにあるか、普段から確認してほしい」と呼びかける。主要な公共施設や大規模な駅・病院、繁華街などは比較的見つけやすい。

 通話料金は固定電話へは時間帯や距離によって変わり(10円で76秒~8秒)、携帯へは10円で15.5秒。

 若い世代は使ったことがない人が多い。公衆電話の受託者らでつくる日本公衆電話会は小学校やイベントで使い方を教えており、受話器を取って硬貨・テレホンカードを入れる動作や、無料で警察・消防につながる緊急通報を説明する。

 鹿児島・宮崎支部は「タッチパネルに慣れ、数字のボタンを触るだけで押さない児童もいる。災害や非常時に使えるよう周知活動を続けたい」としている。
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南日本新聞社「こちら#373」係
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